オリンピック

　　　　　　　　　　　　

先の土曜日は職場の仲間四人とマイボートで沖釣りに出た。いつもの釣り場( 家島の上島周辺)にはまだアジは来てなくて、各々キスやイシモチをそこそこ釣った。狭いボート上からの投げ釣りだ、砂浜で竿を自由に振り回すのとはわけが違う。新米四人が思い思いに投げるから仕掛けの針が顔をかすめて飛び交い危なくてしかたがない。大胆な竿振りのわりには飛距離は延びず、見当違いの場所や足元にドボンドホンと落ちる。大潮日で潮行が強く、三十号の天ビン仕掛けがズルズル押され、足元のドボンでも結構釣れた。

気になったのはＡ氏Ｂ氏のエサの付け方だった。青イソメがへの字に折れ曲がって針り針からぶらさがっていた。Ｂ氏は針だけを食わそう魂胆か青イソメをきざんで申し訳程度針先端にコチョッと付けていた。　

「あのねぇ皆さん、針はエサの口から刺し通してください。ちぎったらあかんです。大きなエサでもそのままベロンと付けるのがよろしい。魚はエサを頭の方から食べるからベロンと下がっていても大丈夫」と私。

「わぁ〜めちゃやめちゃや、そんなに勢いよく合わせたら、魚の首がもげてまうがな。合わせは竿先を軽くチョンと動かせばそれでええのや」と、これもまた私。　　　　　　

要らざるお節介はほどほどにと思いつつ、ついつい講釈が多くなる。船頭兼釣りインストラクター、これはこれで難しい。　　　　　

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五輪番組を見て思うのは、なぜ釣りがオリンピック種目に入ってないかということである。投げ釣り仕掛けの飛ばし合いや、フライフイッシングの疑似針振り込み競技があったら楽しいのにと思う。

だが、釣りは魚が相手だ。単なる仕掛けだけの飛ばし合いだけでは魚がからまない分面白くない。ヒョウタン型の大きなプールにヘラ鮒かチヌを放して各国代表選手が、各人民族衣装を身にまとい釣り比べをするなどはどうだろう。カリブ海でカジキのトローリング競争という手もある。　

先日、大きなヒジ叩き（キス）を釣って計ったら二十五ｾﾝﾁ あった。もう五ｾﾝﾁ 大きければ金メダル級かもしれぬと思った。　

そうだ！　　　　　　　

釣果をそのつどオリンピック組織委員会へ届け出ることにしてはどうか。オリンピック開会式で表彰してもらえばいい。キスの部の金メタルとか、チヌの部とか、キングサーモンの部とか。　　　　　　　　

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十日ばかり下痢をして少しやせた。勤め先の事務室にクーラーが入るようになると私は毎年このように体調を崩す。下痢止め薬を飲んだらとたんに便秘だ。カンチョウの世話になった。神聖なる釣りの話になんでお通じの話するのかなどと言うなかれ、ここ最近ニ週間のイベントやビックニュースへ思いを巡らすに、これにまさるものは何もない。オリンピックなんぞカンチョウに比べたら屁でもない。我が釣り場にアジが回遊して来てもまだ便秘で釣りに行けぬとしたら一大事だ。釣り人なら、この思いは同じと考えるがいかがなものか。